仕事の基本はコミュニケーション!編集者になった理由は人と出会うことが面白いから。

仕事の基本はコミュニケーション!編集者になった理由は人と出会うことが面白いから。

ファッション雑誌の編集者として活躍する安原真広さん。学生時代からライターの仕事を始め、多くのウェブや雑誌などの媒体で執筆や編集を経験してきた。そんな安原さんだが、今まで出会って来たコト、モノは自分を形成する上で無駄なところはないという。なぜ編集の仕事を選んだか、また、これから仕事に対する考え方を伺った。

−現在のお仕事について教えて下さい

女性向けの月刊ファション誌の編集です。ファッション誌といっても、広い範囲を扱う伝統ある雑誌です。最新のコレクションはもちろん、アートの展覧会やカルチャー方面でのイベント、プロダクトデザインや建築などのもの作り、音楽や文学まで、幅広く扱います。「刺繍」「レース」「古着」「アクセサリー」などのファッションテーマから「映画」「音楽」「アングラ」などのカルチャーテーマに沿って情報を集め、新しい発見のある見せ方としてまとめています。

−どうしてファッション誌の編集というお仕事を選んだのでしょう?

やっぱり小さい頃から本が好きでした。今でも小説を書いたり、地元でミニコミ誌を作ったりするなど、やっぱり好きなんでしょうね。大学、大学院と文学を学んできた中で、なにかしら文章に関わることを仕事にしたいなと、ライターや編集に携わるようになりました。今の仕事は色々な人に出会ったり、自分の興味のあることについて取材したり書いたりできる、理想的な職場ですね。

好きなことは全部!その仕事をやる理由!

−これまでにどんなお仕事を経験してきましたか?

考えてみると結構色々やってきましたね。学生時代のアルバイトでは、イベントの現場設営や運営、旅館での住み込みなどを臨時でやりながら、テレビ局の報道部の写真班でニュース画像の番組作成用データベースを構築していました。卒業してからは、数学検定協会やラーメン屋さん、食品系のウェブサイトの制作運営をやったり、色々な雑誌の編集の仕事をやったり。色々な人に出会いましたね。雑誌編集の仕事で出会った人に声をかけられて、現在の仕事にたどり着きました。

−随分といろいろな職業を体験されてきたんですね。

小さい頃から色んなことに興味があったんですよね。蝶とか恐竜みたいな生物も好きだし、鉄道とか自動車みたいな交通も好きだし。
レコードを集めてDJやったり、アニメとか漫画とかゲームはもちろん。サッカーも好きで月に1〜2回は試合を観に行きます。から、あんまり興味のないことってなくて、なんでも楽しめる方なので、仕事も色々なことをやってみたくなるし、仕事を通して色んな人に出会いたくなるんですよね。

今の仕事の仕方、方向性を形成したのは「住み込みの仕事」?

—数ある仕事の中で、一番印象に残った仕事はなんですか?

旅館の住み込みのアルバイトですね。大学時代、僕は自転車で長期旅行をするサークルに入っていました。長期休みになると、1ヶ月近くキャンプと自炊を繰り返しながら北海道などを回るんです。でも大学生の身分なので、旅行のためには10万単位のまとまったお金が必要になりますよね。
そこで、泊まり込みで一気にお金を稼げる住み込みのバイトはもってこいでした。長期休暇の度に、軽井沢のその旅館に行っていましたね。自分探しというと恥ずかしいですけど(笑) ここでの生活は自分を見つめ直すいい機会になりました。

—どういうところで自分を見つめ直すような機会になるんですか?

最初は観光スポットに行ったりしたんですけど、まあ毎日そこで暮らしているわけですから、行くところもなくなってくるんですよね(笑)。でも場所によってはネット回線があるわけでもなく、当時はスマホもないですからね。そうなると部屋で本を読んだりして過ごすようになるんでめっちゃインドア(笑)。でも、悪くないんですよ、自分の本来の生活圏から遮断されたところで、集中して本を読むことができる機会って。
島崎藤村の『夜明け前』とか、メルヴィルの『白鯨』みたいな、名前は知っているけど読む機会がない長編小説に挑戦するいい機会になりました。僕は他のアルバイトと比べても長期だったので、一人で9月半ばまで働いていましたね。9月に入ると、軽井沢って急に冷え込んで、霧が出てきて、秋なんですよ。でも、そういう季節の変化を感じながらの読書って、なかなかできない体験です。このインドアの経験が自分と向き合ういい機会になりました。

—ここでの仕事は現在の仕事でも役に立っていたりするんですか?

学んだことは色々ありましたね。同僚と生活を共にするわけなので、その生活が破綻するってことは、仕事も破綻しますよね。だから、仕事で出会った同僚ともパートのおばちゃんとも女将さんとも上手くコミュニケーションをとらなきゃいけない。そこを上手く回して生活できるようになると、すごい自信になるんですよね。どんな環境でも生きていけるぞ、みたいな。

今の編集の仕事も、基本的に対人の仕事なんですよ。誰かに文章を書いてもらったり、写真を撮ってもらったり、インタビューで喋ってもらったり。様々なジャンルのプロフェッショナルに、最大限の力で仕事をしてもらう。そのためには密なコミュニケーションが不可欠ですし、そのやり取りの中でアイデアが生まれて、最終的に人が読んでおもしろいと思うものができる。住み込みでの仕事で、出会った人との人間関係が密な所で生き抜いた経験が生きていると思います。

安原さんのこれからと働き方

—今後はどのように成長していきたいですか?

常に色々なものに触れていたいし、新しいものを発見する側でいたいですね。今年で30になるので、歳をとってもそのスタンスを維持するのってそれなりに努力が必要になるとは思うのですが、見知らぬ土地に身ひとつで乗り込んで、生活をしながら住み込みでお金を稼いだ学生時代のように、どこでも新しいところに飛び込んでみるという姿勢を忘れないようにしたいです。

−安原さんにとって理想の働き方とはなんでしょう?

ひとつの方向ではなく、様々な方向からやってくる人や情報に常に出会える仕事が理想ですね。その仕事によって、生活にバリエーションが生まれるし、そのバリエーションが仕事につながる。そんな感じでずっとやっていけたらと思います。

−最後に、新しい一歩を踏み出せないでいる人にひとことお願いします。

その時にしかできなかったことってあると思うんですよね。でも、それってその時にはなかなか気がつけなくて、今日のインタビューみたいに、何年後かにそう思う。だから、ちょっとでも迷っているのことがあれば、ぜひやってみるべきだと思いますね。きっと、10年後の自分にとって大切なことになると思います。

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